ベトナムの高速道路にアメリカと日本の雰囲気を感じたので調べてみる

この記事は約5分で読めます。

前回に引き続いてベトナムの話を。

3年半ぶりにベトナムを訪問し、Vinfast車の増加に出会う
先週ベトナムに行ってきました。前回は22年12月末だったので3年半ぶりになります。前回はハノイとホーチミンに行きましたが、今回はハノイだけです。たまたま同じ場所に泊まったので22年12月の写真をトリミングして並べてみました。前回訪問時もハノ…

今回はバスに乗って高速道路を走りました。

そこで、
・アメリカっぽさ
・日本っぽさ
の両方を感じました。

というのも、

まっすぐな感じとセンターのコンクリートのつくりなどはアメリカっぽい。

ETCと書いた料金所があったり、

高速道路の整備をしていたり

サービスエリアのような休憩所が高速の中にあったりするのは日本っぽい。
(アメリカはこういうのは一般的ではなく、降りてどこかに行く)

ちなみにサービスエリアのような場所は、建物の中にスーパーというかコンビニ的なお店、外には小さなお店が並んでいました。


不思議に思ったのでいつものようにGeminiに聞いてみました。

まず、整備のフェーズについて。

1. 黎明期(2001年〜2010年):手探りのスタート

  • 総延長:わずか89km
  • 2000年代初頭のベトナムには、本格的な高速道路はほぼ存在していませんでした。国内の物流や移動は、大動脈である「国道1号線」などの一般道に完全に依存しており、激しい渋滞と移動時間の長さが経済成長のボトルネック(足かせ)になっていました。
  • この時期に、ようやく主要都市のバイパスや、ホーチミン近郊の「ホーチミン〜チュンルオン高速道路」などの建設が手探りで始まりました。

2. 成長期(2011年〜2020年):国際支援とネットワークの芽生え

  • 総延長:約1,163km(1,000kmの大台を突破)
  • モータリゼーション(自動車の急速な普及)に対応するため、本格的な高速道路網のマスタープランが策定されました。
  • アジア開発銀行(ADB)や日本のODA(政府開発援助)、民間資金を活用したPPP(官民連携)方式などを導入。ハノイ〜ハイフォン間や、ハノイ〜ラオカイ(中国国境)を結ぶ路線など、経済回廊(物流ルート)となる重要路線が次々と開通しました。

3. 大躍進期(2021年〜現在・2026年):国家の威信をかけた「超高速」建設

  • 総延長:3,500kmを突破(5年間で3倍以上に急増)
  • ベトナム政府はインフラ開発を「国家の3大戦略的重点事項」の一つに掲げ、これまでにない異次元のスピードで予算と人員を投入しました。
  • 最大の金字塔:南北高速道路の開通 ベトナムを北の中国国境(ランソン省)から、南のメコンデルタの最南端(カマウ省)まで、一本の背骨のように繋ぐ「南北高速道路(全長約2,000km)」の東側ルートが、2025年末にほぼ全線開通を果たしました。

ということで、ここ25年くらいで急ピッチで整備されたようです。


アメリカ的なものも日本的なものも感じたのでそれも聞いてみました。

日本のETCやSAのような機能がありつつ、どこかアメリカのように広大でダイナミックなハイウェイの雰囲気があり、それでいて全体を包む開発の勢いは中国に近い……その感覚はすべて正解で、歴史的な背景と綺麗に一致します。

結論から言うと、ベトナムの高速道路のビジネスモデルや建設の「やり方」として最も近いのは、間違いなく中国です。

なぜそのように「日本、アメリカ、中国」の要素が混ざり合って感じられたのか、その理由を紐解くとベトナムの面白い戦略が見えてきます。

1. なぜ「中国モデル」が一番近いのか?(開発の仕組み)

ベトナム政府が高速道路網を整備する上で、最も強く意識し、真似をしたのは中国の「国家主導・超ハイスピード開発」です。

  • 「富むためには、まず道路を拓け(要発財、先修路)」の踏襲 中国が1990年代から2010年代にかけて、文字通り国家の総力を挙げて世界最大の高速道路網を作り上げ、経済を爆発的に成長させた方法を、ベトナムはそのままモデルにしています。
  • 強権的なスピード感 「土地の立ち退き(収用)で揉めたら国家の権限で強制解決する」「24時間体制の突貫工事で一気に仕上げる」という力技の開発スタイルは、まさに中国そのものです。今回のハノイ〜ハイフォン間も、中国の巨大インフラ企業が直接工事に入ったため、全体の構造やスケール感、土木の思想は非常に中国的なダイナミズムに基づいています。

2. なぜ「アメリカ的」な雰囲気を感じたのか?(デザインの思想)

走っているときの「見晴らしの良さ」や「まっすぐ感」がアメリカっぽく感じられたのにも、明確な理由があります。

  • 中国の高速道路自体が「アメリカを手本」に作ったから ベトナムが手本にした中国の高速道路(国家高速公路網)は、もともとアメリカのインターステート・ハイウェイ(州間高速道路)を徹底的にリサーチして作られました。
  • 広大な車線、都市部を大きく迂回して直線的に突っ切るルート、沿道の景色を遮らない開放的なデザインなど、アメリカのハイウェイ思想が「中国を経由してベトナムに持ち込まれた」ため、ベトナムの新しい高速道路にはアメリカ的な匂いが残っているのです。

3. なぜ「日本」に似たETCやSAがあるのか?(システムの導入)

ETCやサービスエリア(SA)といった「仕組みやサービス」の面で日本っぽさを感じられたのは、ベトナムが良いとこ取りのシステム選定をしたからです。

  • ETCの共通化(日本の知見も参考) ベトナムは以前、有料道路ごとに料金所が違って大渋滞していましたが、近年「VETC」などのノンストップ自動料金徴収システムを国を挙げて一括導入しました。この「スマートITS(高度道路交通システム)」の構想段階では、JICA(国際協力機構)を通じて日本のETCや高速道路管理のノウハウが大量にベトナム政府へ提供・提案されています。
  • SA(サービスエリア)という概念の輸入 ベトナムの一般道にある休憩所は、個人経営の混沌とした食堂(クアンコム)が主流でした。しかし、高速道路を作るにあたり、日本や先進国の「駐車場、トイレ、お土産、フードコートが一体になった綺麗なSA」という概念を持ち込み、現在は日本のSAにそっくりなモダンな休憩所が主要路線に整備され始めています。

💡 結論として

ベトナムの高速道路は、 「アメリカ風の広大なデザイン」をベースにした「中国式の超スピード・力技開発」の中に、「日本的なETCやSAの便利システム」をトッピングしたような、まさに美味しいところを集めたハイブリッドな形になっています。

ということで、なんとなく感じた感覚は間違っていなかったようです。中国に入ったことはないですが、このような高速道路が整備されているのだと思われます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました